有事の際に判る事

2019–10–14 (Mon) 15:04
有事の際に人間の本質が判る。
日常の中では仮面をかぶっていても、非常事態では本質が出てしまうということだ。

今回の台風19号でリアルタイムで情報を収集したが、一番感じたのはやはり日本全体の意識が変わりおかしくなっているということだった。
鯛は頭から腐るというが、トップダウンで日本人の民度が下がってきているのをはっきり感じた。

まだ災害が進行中なのに、災害に関してはツイートしていなかった総理大臣が昨日ラグビーで日本が勝った途端、5分後におめでとうのツイートをしたのは予想通り過ぎた。
スポーツの力は災害の助けになるなんて頓珍漢な事を言っているが、まだ遭難している人達がいるのに不謹慎極まりない。
利権屋の幹事長は「まずまずの被害だ」と公言するし、防災担当政務官のタレント上がりはツイッターで「窓からタオルを振ってください」とツイートしていた。

一般市民も同じで、「災害の最中にラグビーではしゃぐのはどうか」というツイートに「ラグビーを楽しんで何が悪い」「隣で葬式を出していてもいちいち悲しむか」などという反発がすごかった。
最終的には自己責任や人の不幸は関係ない的論調が多く、見ているだけで頭がおかしくなりそうだった。
何もラグビーを見るなとは言わないが、その思考回路に慄然としたのだ。

同様に台東区が避難所にホームレスを入れない方針を決めて批判を浴びていた。
批判するまともな感覚の人が多いのが救いだが、行政からしてこうなのだから、「日本人で税金を払わない人間以外助けない」という意識がこの災害で明らかになってきている。
東京都は極右知事が続いて、公園のベンチなどもホームレス排除のために、長い時間座れない、横にはなれないような構造のものを設置している。
なんて非情な行政だろうと思っていたが、有事の際にそれはより顕著になった。

政権批判でテレビを干された反骨芸人が「高い税金を払っているが、それは払えない人のためにも代わりに払っているからだ」とツイートして大きな賛同を得ていたが、この富の分配、強者が弱者を助けるという精神が、もう今の日本では失われている。

どうしてこんな冷たい日本になってしまったのか。
芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を知っている人はもはや少ないのだろう。

今回の台風で感じたことは、日本人の意識は二極化が速いスピードで進んでいるということだ。
利己と利他、自愛と慈愛、悲しいかな前者の方が圧倒的に増えているように思う。

私は二階まで水に浸かった家屋の屋根から手を振る人の映像と並行して、ラグビーを見ながら「日本すごい、万歳!」と叫ぶメンタリティーは持ち合わせない。
少なくともまだまだリアルタイムで増える死者や被害者を思えば、ラグビーだけではなく他のスポーツ選手、観客も、それなりの振る舞いで試合に臨むべきではないだろうか。
決して歌舞音曲を慎めとは言わないが、人の痛みに思いを致すのが日本人の美徳だと思っていた。

弱い人が切り捨てられていくような今の日本は間違っている。


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Author:masquerade
職業画家でベネチアンマスクを描いています。

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