自分を許す

2017–06–09 (Fri) 15:33
人間には生きて行く過程で様々な失敗や過ちがある。
その度、後悔したり反省したり自己嫌悪に陥る。
そこまでは人して普通の事だが、それを乗り越えまた新たに歩み出す時に充分自分の中で消化、昇華という工程を踏まず無理矢理抑圧したり封印したり存在さえも消去してしまうと、後々違う形で噴出してくる場合がある。

辛いことを忘れるのは自己防衛本能だが、その時の記憶、苦悩まで否定してしまうと、ずっと後になってからいわゆるトラウマになったり知らずに自己刑罰的なシステムを作ってしまい、病気になったりメンタルを病んだりする。

よくインナーチャイルドの開放などとスピ用語では使うが、今に至るまでの人生で辛かったり苦しかった時の自分を否定するのではなく肯定してあげる必要があるようだ。
誰でも未熟な時代、若かりし頃、いや中年になっても失敗はする。
大変な事態を引き起こしたり打ちのめされて立ち上がれないほどの苦境に陥ることもあるだろう。
結果、人を巻き込んだり人生も根こそぎ変わったりもう取り返しのつかないような事態になったとしても、何とか生きて今があったりする。
しかし失敗の数々は人生の蹉跌として受け入れられればいいが、完全拒否で人生の汚点と考える人も少なくない。

ただ、後になって顧みればその時の自分は本当にダメ人間だったのだろうか。
老成してからの基準ではどう考えても愚かだが、その時は必死で考えていたに違いない。
選択が失敗だったと悔やみ苦悩し打ちひしがれたろうが、精一杯のことをやってきたのではないか。
当時を思い出してみると、周りからも責められ自分自身も責め生きる事も辛くてのたうち回っている自分が見えるだろう。
しかし今があるのは、少なくともその経験を通り過ぎたからである。

失敗だったリ辛かった過去を全否定するのは内部でひずみを起こしやすい。
過去に戻ってもう一度見てみると、辛くても悲しくても精一杯生きていた自分もいるはずだ。
誰も助けてくれないし、失敗だからもちろん責められこそすれ褒めてはもらえない。
一人で苦しみを抱えそれでも懸命に頑張っていた過去の姿を見てみると、せめて今の自分は「そんなに苦しかったんだね、でもよく一人で頑張ったね」と慰め褒めてあげてもいいような気がする。

封印しようとしていれば尚更当時の自分の苦しい感情は潜在意識の中に生々しく残っている。
それは死ぬまで気が付かず、自分を蝕んでいくかもしれない。

今当時の自分を思い出すと、過ちも失敗も本人としては仕方がないことだと判るし、苦悩と自責に苛まれている姿もそれでも何とか頑張っている姿も可哀そうで抱きしめてやりたくなるはずだ。

人間は様々な失敗や過ちを経て魂も成長する。
辛い経験は魂の修行とカルマの解消だ。
その時その時で適切なメンタルの対応が出来ていればいいが、もし未消化のままなら過去を思い出し苦しくとも頑張ってきたその時の自分を褒めてやってはどうだろうか。



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